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■前集215項

善読書者、要読到手舞足蹈処、方不落筌蹄。
善観物者、要観到心融神洽時、方不泥迹象。

善(よ)く書(しょ)を読(よ)む者は、手(て)舞(ま)い足(あし)蹈(ふ)む処(ところ)に読(よ)み到(いた)るを要し、方(はじ)めて筌蹄(せんてい)に落(お)ちず。
善(よ)く物(もの)を観(み)る者は、心(こころ)融(と)け神(かみ)洽(やわら)ぐの時(とき)に観(み)到(いた)らんことを要(よう)す。
方(まじ)まに迹象(せきしょう)に泥(なじ)まず。

真剣に本から学ぼうとする者は、とことん読み込んで、真実を発見して全身が躍動してしまう位まで読み深めれば、文字面に囚われなくなる。
真剣に物事を観察しようとする者は、自他一如となるまで観察し尽くせば、表面的な現象に引きずられなくなる。
つまり、何事も事を始めるからにはとことんやれば、本質が見えてきますということ。正に法門の数は無限だが、中心は一つということ。
言い換えれば、中途半端な気持ちでは時間の無駄ですよということで、これこそ「活人」のための教訓そのものなのだ。
慧智(030706)