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■後集20項

都来眼前事、知足者仙境、不知足者凡境。総出世上因、善用者生機、不善用者殺機。

都(すべ)て眼前(がんぜん)に来(き)たる事(じ)は、足(た)るを知(し)る者(もの)には仙境(せんきょう)にして、足(た)るを知(し)らざる者(もの)には凡境(ぼんきょう)なり。
総(すべ)て世上(せじょう)に出(い)ずる因(いん)は、善(よ)く用(もち)うる者(もの)には生機(せいき)にして、善(よ)く用(もち)いざる者(もの)には殺機(さっき)なり。

目の前で起こっている現象は、「足るを知る者」にとっての此世は、理想郷であるが、満足することの無い欲望の大きい人間にとっては、所謂ところの俗世間なのだ。
また、この世に起きることの全ての因縁は、善として用いれば全てを生かす働きをするが、善として使えなければ殺す働きをするものだ。
つまり、無欲に徹して淡々と働き、その結果を無条件に受け入れることがこの世は理想郷であるが、足るを知らずに不満を述べていれば、この世は地獄のようなものだ。
言い換えれば、達人たる者は、目の前にある、為すべき事を成し、結果に対しては、無条件に受け入れられる「足るを知る」人物でなければならない。
慧智(030710)