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■後集77項

樹木至帰根、而後知華萼枝葉之徒栄。
人事至蓋棺、而後知子女玉帛之無益。

樹木(じゅもく)根(ね)に帰(き)するに至(いた)って、而(しか)る後(のち)華萼枝葉(かがくしよう)の徒栄(とえい)なるを知る。
人事(じんじ)棺(かん)を蓋(おお)うに至(いた)って、而(しか)る後(のち)に子女玉帛(しじょぎょくはく)の無益(むえき)なるを知(し)る。

樹木は、根だけになってはじめて、花や枝葉が一瞬の繁栄であった事に気付く。
人間は、棺桶の蓋をする時になってはじめて、子供も財産も何の役にも立たないことが解かる。
つまり、達人は、最後の最後は自分の心が如何に大安心の境地を得られるかを真剣に考えておこう。
言換えれば、子供を幾ら大事にしても、財産を如何に残したとしても、人間は必ず死ぬのが運命なのだ。
慧智(030719)