«« ■後集80項 | メイン | ■後集82項 » »

■後集81項

今人専求無念、而終不可無。
只是前念不滞、後念不迎、但将現在的随縁、打発得去、自然漸漸入無。

今人(こんじん)専(もっぱ)ら念(ねん)を無(なく)するを求(もと)めて、而(しか)も終(つい)に無(なく)すべからず。
只(ただ)是(これ)前念(ぜんねん)滞(とどこお)らず、後念(ごねん)迎(むか)えず、但(ただ)現在(げんざい)の随縁(ずいえん)を将(もっ)て打発(だはつ)し得(え)去(さ)らば、自然(じねん)に漸々(ぜんぜん)無(む)に入(い)らん。

近頃の人間は「無」の心境を求めるているので、心境を無くす事は出来ない。
けれど、過去に囚わらず拘らず、未来に囚われず拘らず、只、因縁に随い、在るがままに受け入れ、流し出していれば、自然に無の境地となるだろう。
つまり、心は論理プログラムで動いているのであり、「無」となる心境を求めているとは、「求めない気持ちを求めている」以上は無限循環し、抜け出せないんのは自明の理。求めない状態は求めるプログラムが動いていないから、自然体で「無」なのでsる。
言い換えれば、達人はこの真理を知っている人なのだ。
慧智(030721)