«« ■後集108項 | メイン | ■後集110項 » »

■後集109項

繩鋸木断、水滴石穿。
学道者須加力索。
水到渠成、瓜熟蔕落。
得道者一任天機。

繩鋸(じょうきょ)に木(き)断(た)ち、水滴(すいてき)石(いし)を穿(うが)つ。
道(みち)を学(まな)ぶ者(もの)、須(すべか)らく力索(りきさく)を加(くわ)う。
水到(すいち)に渠(みぞ)成(な)り、瓜熟(きゅうじゅく)蔕(へた)を落(おと)つ。
道(みち)を得(う)る者(もの)、一(ひとえ)に天機(てんき)に任(まか)す。

井戸の“つるべ”は長年に渡り木枠を擦っていると木が切られたようになり、
水滴も長年同じところに落ちれば石にも穴を開ける。
道を究めようと学ぶ者は、みなその様に努力をしなければならない。
水が流れて来れば溝ができ、瓜が熟せば蔕まで落ちる。
悟りを開こうとする者は、ひたすら大自然の在り方に任せるのが良い。
つまり、大自然の原則が「継続」なのだから、自然に任せるという事は「継続は悟りの命」と言っているのだ。
言換えれば、達人とは特別な事ができる人では無く、只管、大自然の法則に従い、大自然の原理原則に任せて生きている人だとも言えるのだ。
慧智(030725)