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■後集112項

雨余観山色、景象便覚新妍。
夜静聴鐘声、音響尤為清越。

雨余に山色(うよさんすい)を観(み)れば、景象(けいしょう)便(すなわ)ち新妍(しんけん)を覚(おぼ)ゆ。
夜(よる)静(しず)かに鐘声(しょうせい)を聴(き)けば、音響(おんきょう)も清越(せいえつ)と為(な)す。

雨上がりの山を観ていると、景色に新鮮さが感じられる。
夜更けの静寂の中で、鐘の音を聞くと、その音色が、超越したように澄んで清らかである。
つまり、同じ景色や同じ音でも、時や状況が違えば印象がことなるのである。
言換えれば、達人が覚えておくべきは、印象というものは、心の状態次第で簡単に変るもので、心の為せることは何事にも絶対というものは無いとい言う事だ。
慧智(030727)