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■後集92項

当雪夜月天、心境便爾澄徹、遇春風和気、
意界亦自沖融。
造化人心、混合無間。

雪夜(せつや)の月天(げってん)に当(あ)たっては、心境(しんきょう)便爾(すなわ)ち澄徹(ちょうてつす。
春風(しゅんぷう)の和気(わき)に遇(あ)えば、意界(いかい)も亦(また)自(おのず)から沖融(ちゅうゆう)す。
造化(ぞうか)人心(じんしん)、混合(こんごう)して間(へだて)なし。

積雪の日の月明かりは、心を清らかで澄み切らせる。
春風の穏やかな空気に触れれば、気持ちはやわらぎ和む。
大自然の心と人間の心は分かれていて分かれられない関係で、隔たりはない。
つまり、心身一如であり、心物一如。人間は自然の一部であり、全体でもある。
言い換えれば、達人は、宇宙と人間の相似性に気付き、意味を知る事が必要だろう。
慧智(030723)